第0回 日本語とミャンマー語(文法)
目標「ミャンマー語文法の特徴を知る」
語順は、日本語とだいたい同じ
ミャンマー語は日本語と同じように「主語+目的語+述語(SOV)」の形をとります。また、日本語の「は」「が」「へ」「で」のようなはたらきを持つ助詞が存在します。
※厳密にいえば「主語」ではなく、「主格語」というべきでしょうか。ミャンマー語では、主語の省略がたびたび見られます。
「私は<主語> ご飯を<目的語> 食べます<述語>」
これをそのままミャンマー語にすると、次のようになります。
()内の助詞は省略しても良いです。
文章が長くなっても難しく考える必要はありません。
(ကျည်ဆံရထား 直訳すると「弾丸列車」。2021年現在、ミャンマーに高規格の高速鉄道はありません)
その他の特徴
- 時制は基本的に2つしかなく、動詞は活用しません。
- 「すでに起きたこと(過去・現在)」「これから起きること(未来)」
- 動詞の後ろに -တယ်(過去・現在)/ -မယ်(未来)を付けることで時制を表します。
- (例)ပြော(話す)、 လျှောက်(歩く) ※この部分は絶対に変化しない。
- ပြောတယ် 話した(過去)、話す(現在) ပြောမယ် 話す(未来)
- လျှောက်တယ် 歩いた(過去)、歩く(現在) လျှောက်မယ် 歩く(未来)
- 一部の語に、性差があります。
- 「私」という意味の語「ကျွန်တော်:男性が使う」「ကျွန်မ:女性が使う」
- 語順がかなり自由
- たとえば、「アウンチョー君が、台所で包丁でフルーツを切っています」というとき、以下の7通りの言い方があります。
- アウンチョー君が、台所で 包丁で フルーツを 切っています。
- アウンチョー君が、フルーツを 台所で 包丁で 切っています。
- 台所で フルーツを アウンチョー君が、包丁で 切っています。
- 台所で アウンチョー君が、包丁で フルーツを 切っています。
- 台所で アウンチョー君が、フルーツを 包丁で 切っています。
- フルーツを アウンチョー君が、台所で 包丁で 切っています。
- フルーツを 台所で アウンチョー君が、包丁で 切っています。
- 述語(「切っています」)は、必ず最後に置かれます。
- 「包丁で フルーツを 台所で アウンチョー君が、切っています」と言えないこともないですが、「包丁で」と「切っています」が離れすぎると、意味が分かりにくくなってしまうため、基本的には上のうちのいずれかの順番で言います。
- ミャンマー語において、述語が最後に来ることを除いては、語順は厳格ではないです。
ビルマ文字を使わない説明
ビルマ文字(ミャンマー語の文字)をはじめから使うと混乱のもとですので,まずはカタカナを使って簡単な文法の説明をします。まずは「私は飛行機で東京から大阪へ行きます」という例文をもとに説明します。
カタカナでミャンマー語の文章を表した例 |
日本語と語の順番が同じこと、助詞「は」・「で」・「から」・「へ」があることに気付かれたでしょうか?
ここでメェーの正体についてお話ししましょう。ミャンマー語では動詞が活用しません(この例文でいうとトゥワーの部分は決して変わりません)。それでは「行きました(過去)」や「行きます(現在・未来)」をどのように表現するのでしょうか。ここで重要になってくるのがデェーとメェーです。
ミャンマー語では、実際に起きた事柄については動詞の後に デェー をおきます。
まだ起きていない事柄については動詞の後に メェー をおきます。繰り返しになりますが「行く」のトゥワーの部分は決して変わりません。トゥワーデェーか,トゥワーメェーにしかならないのです。簡単にいえば、過去や現在の場合 デェー を未来の場合 メェー を使います。
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